凪柚とのことを話してもいいのか迷ったけど、今の俺じゃ何一つ解決出来ない気がした。



凪柚と話したこと、聞いたことを潤哉に話した。



生まれ変わりのこと。



凪柚に前世の記憶があること。



告白を拒まれたこと。



潤哉は珍しく真剣な顔で聞いていた。



「なんか信じらんねえってか、不思議な話だな」



「だよな。当事者の俺でさえまだ完全に信じれてないのに、潤哉はもっとわかんねぇよな」



「いや、当事者だからこそ信じらんないとこ藻あるだろ。急にそんなこと聞かされて、信じろってのが無理あるって」



潤哉は脚を組ながら眼鏡を掛け直した。



「凪柚の言ってることだから信じたい。でも、どうしていいかわかんなくてさ…」



俺の言葉に潤哉はう~ん、と唸った。



しばらく続く沈黙。



時計が時を刻む音だけが教室内を支配していた。



――カタン…



物音が沈黙を破り、俺も潤哉も音のした方を見る。



教室の出入り口に立っていたのは甲斐さんだった。