放課後の教室には誰もいなくて、椅子に座ったまま外を眺める俺は大きく息を吐いた。



俺と凪柚ってなんだろう…。



凪柚は俺の気持ちを聞かずに謝った。



バレバレだったんだろうな。



でも、なんで泣いたんだろう…?



凪柚の泣き顔が頭から離れない。



授業終了の鐘が鳴ってすぐに、凪柚は保健室から飛び出して行った。



荷物もないってことは帰ったんだろう。



ちゃんと帰れたんだろうか…?



凪柚にどんな秘密があったって、俺が凪柚を好きなことに変わりはない。



心配だってする。



なのに体が動こうとしないんだ。



何が原因かわかんない。



「あれ?蒼生、まだ残ってたんか」



用事を終えたらしき潤哉が教室に戻ってきた。



「ああ、ちょっとな…」



「なんだよ、お前らしくないじゃん」



「は?」



「だってお前がそんな元気ないとこ、今まで見たことないし。悩み事なら聞いてやるぞ」



少し上から目線の潤哉の言葉は正直嬉しかった。