「おかえり」
って俺が言うと、ピーチを俺に渡して
「ただいま」
って返事してくれるんだ。
家族三人揃っての賑やかな夕食。
それが家では当たり前で、今日の出来事なんか話しながら笑い合った。
「そう言えば蒼生。あんた来週三者面談でしょ?進路はどうするの?」
母さんにいきなり聞かれて、俺は食べる手を止める。
この時はまだ、何になりたいってワケでもなく、
ただ漠然と大学に行こうかな程度に考えてたんだ。
それをどう説明すればいいか…。
う~ん、と悩んでる俺を見て
「ゆっくり決めなさい。後悔しないように、お前のやりたい道に進めばいい」
「焦らなくていいのよ」
って、父さんと母さんは言ってくれた。
俺は家族に恵まれてると思う。
一人息子なせいか、すごく大事にされてるって、
今日改めて思ったんだ。