つまり俺は今、保健室で凪柚と二人っきり。



緊張する。



緊張はするんだけど、俺にはさっきから気になっていることがあるんだ。



それは凪柚の足。



プールの中で触れたときは確かに硬かった。



でもここまで抱き抱えてきたときは普通に柔らかくて…って変態みたいだけど、本当に感触が違ったんだ。



正面に座る凪柚が眉を下げて俺の顔を覗く。



「蒼生くん、気になってることがあるんでしょ?いいよ、思ってること話して」



そう言った凪柚の顔は少し寂しそうだった。



その表情に、俺は聞いてもいいのかと、心の中で思った。



それでも聞くしかない。



「プールの中で凪柚の足に触れたとき、スゴく硬かったんだ。でもここに来るまでの間はそんなことなくて…」



凪柚の顔を見つめて話していたが、段々なんて聞いていいのかがわからなくなって、俺は声が小さくなっていくと共に俯きがちになった。



小さなため息が聞こえる。



それは俺のじゃない。



顔を上げてみると、凪柚が笑って



「バレちゃったかぁ…」



ってポツリと言った。