そんな話をしていると、気が付けば保健室の窓の外のところまできていた。



凪柚の友達二人が窓をコンコンと叩いて、



「先生~!」



って中にいるはずの先生を呼ぶ。



するとカーテンが開いて、中から先生が顔を出す。



「どうしたの?!」



窓を開けながら聞いてくる先生。



その表情は明らかに驚いている。



「凪柚ちゃんがプールで溺れかけたんです!」



一人の女の子が言ったあと、



「保健室で休ませてもらってもいいですか?」



と、俺は先生に尋ねた。



先生はタオルを貸してくれて



「早く来なさい」



って優しく言ってくれる。



俺たちは校舎の裏口に回って保健室まで歩くことにした。



わざわざ玄関や非常口や渡り廊下の入り口まで行くより、裏口のほうが保健室に近いから。



校舎の中に裸足で入る。



廊下がひんやりとしていて気持ちいい。



保健室の前まで行くと、忘れただけなのか先生がしてくれたのか、戸が開いていた。



「失礼します」



俺たちが部屋の前で言うと白衣を着た先生は



「どうぞ」



ってにこやかに返してくれる。