女の子の


「きゃあ!」



って悲鳴と、



「樹月さん!!」



って叫ぶ声がした。



その声に、俺のダルい体は反応する。



立ち上がって、誰よりも先にプールに飛び込んだ。



蜂蜜色の髪が水中でフワフワしてる。



凪柚のところまでいって、抱え上げようとした。



背中を支えて、足に手を回す。



え…?



なんか…変な触感。



触ると、少し硬くてヌルッと滑る感じ。



それから微かに光って見える。



水の中だから?



それよりも早く凪柚を助けなきゃ。



さっき走ったせいで、俺の息も限界かも。



急いで凪柚の体を抱きよせて、プールから顔を出した。



「はぁ…はぁ…」



凪柚はよっぽど苦しかったみたいで呼吸が荒い。



それから俺のTシャツにしがみついて、カタカタと震えながら、



「はやくあげて…」



って小さく言った。



俺以外には聞こえないくらい、小さく、消えてしまいそうな声で。



その言葉通り、すぐにプールから上げると、心配したクラスメイトが集まってきた。



先生も駆け寄ってくる。