テーブルに素早く飲み物を置く店員さん。



「では、ごゆっくりどうぞ」



そう言ってまたニコリとし、戻っていった。



「で?なんだっけ?」



ストローでコーラを飲みながら潤哉は聞く。



俺は小さくため息を吐く。



「この異例の事態は、凪柚には影響しないか?」



「まだなんとも言えねぇけど、まぁ大丈夫だろ」



「おまえなぁ、いくら他人事だからって…!」



途中まで言って、言うのをやめた。



これは潤哉に言ってもしょうがないことだってわかってる。



頭ではわかってるつもりでも、そう上手くはいかないものだな。



片手で髪をグシャグシャにして、アイスコーヒーをイッキ飲みした。



「あ、そう言えば、同じクラスの女子にはなんでコクられないか知ってるか?」



潤哉に聞かれて、俺は首を傾げる。



「“三鷹くんて、全然なびかないんだもん!”だって」



そう言って潤哉はゲラゲラと笑う。



「なびかないって…俺が女遊びになれてるような言い方すんなよ」



ポツリと言った俺の言葉に、さっき笑ってた奴は、腹を抱えて更に笑ってた。