店員さんが冷たい水の入ったコップを、テーブルに置いてくれた。



俺が軽く頭を下げると、その店員さんはニコリとして、カウンターの方に戻っていく。



すぐあとに、カランカランという音をたててドアが開き、潤哉が入ってきた。



「いらっしゃいませ!」



再び店員さんが明るく言うと、潤哉は左手を軽く挙げて挨拶する。



俺の座ってる席に来るなり



「お前早いなぁ」



と言ってイスに腰掛けた。



それからメニュー表を手に取って眺めてる。



「ご注文お決まりですか?」



潤哉の分の水を持ってきた店員さんがついでに注文をきいてきた。



「俺は…コーラにしよっかな。お前はまたアイスコーヒー?」



注文の決った潤哉は、俺の方を見てきく。



俺が頷くと、



「少々お待ちください」



と言い残して、店員さんはカウンターに戻っていった。



「で?」



水を一口、口に含んでる俺に、潤哉が真剣な顔で聞く。



ゴクリと飲み込んで、昨日渡された手紙を潤哉に渡した。



「甲斐結奈ちゃんか」



封筒の裏に書いてあった名前を見て、潤哉は呟く。