悔しいけど、コイツのこういうとこ、嫌いじゃない。



「むぅ…」



と、唸っている俺の横で、凪柚はクスクスと笑ってた。



さっきまで暗い顔してたくせに、もういつも通りの笑い方してる。



そんな凪柚を見て、俺はホッとしてる。



帰り道。

途中までみんなと歩いた。



家に着いてすぐ、俺は階段を駆け上がり、自分の部屋に入る。



ベッドに横になって、さっき受け取った封筒をポケットから出した。



中に入っている2つ折りにされた紙を、取り出して開くと


そこに書かれていたのは、



“好きです。付き合って下さい”



の、今までも何度か目にしたことのある言葉だった。



俺はため息を吐きながら、ピンク色の封筒の中に紙を戻した。



こういう相談を出来るのは、やっぱり潤哉しかいない。



そう思って、俺は一階へと再び階段を駆け降りて、家電から潤哉の家に電話をかける。



『…はい?』



電話に出たのは潤哉だった。



『わりぃ。明日いいか?』



俺が言うと、



『来ると思ってたぜ!』



って、俺が電話するのがわかってたらしい発言をした。