ある意味かわいい。



だって、よく考えてみれば、好きな子が自分のTシャツ着てるってすごいことだと思う。



「あと、これな」



持っていたタオルを凪柚の頭に被せる。



凪柚はいつもの笑顔で



「ありがとう」



って言った。



「いいって」



なんて格好つけたこと言って、俺は再びプールの中に戻った。



もうじき夏休みだから、先生は泳ぎが得意じゃない生徒を主に見ている。



泳ぐのがそこそこ得意な俺や潤哉や他のクラスメイトは、特にする事もないから遊んででも何も言われない。



授業時間残り15分。



「集合!」



と言う先生の声で、一旦プールから上がる。



なんの話かというと残りの時間でリレーをしようという提案だった。



みんな最初は色々言ってたけど、結局やることになった。



男子と女子は別々で、各4チーム。



もちろん人数の少いチームも出てくるため、そこは一人が二回泳ぐことになる。



「俺らんとこは蒼生に任せた!」



同じチームになった潤哉が言うと、他のメンバーも頷く。



嫌じゃないから別にいいけどさ。