初めてでそんなこと知るわけないのに。



その光景に、俺もみんなも堪えきれなくなって、クラスの全員で小野田先生に抗議した。



さすがに先生もクラス全員相手に、何も言い返せなかったみたいだけど。



でもこういうときに仲のいいクラスはいいなと思った。



凪柚は男子には最初から人気だったし、女子もみんな凪柚を気に入ってるらしい。



潤哉の情報によると、



“人形みたいで可愛いから”



だって。



女子ってわからん。



「おい、蒼生!早く行こうぜ!」



俺よりも先に着替え終えたらしい潤哉が、首にタオルを掛けて俺を呼びに来た。



眼鏡を掛けていない潤哉はいつ見ても違和感がある。



「お前も上脱いでけばいいじゃん」



Tシャツを着ようとしている俺に潤哉が言った。



「嫌なんだよ。上半身裸とか恥ずかしいじゃんか!」



「いや、上半身裸とか言う方が恥ずかしいって!」



潤哉のツッコミに教室内にいた奴らはみんなして笑い出す。



俺は悔しさと恥ずかしさの感情を精一杯隠して、Tシャツを着た。



授業開始5分前。



タオルを持って俺たちは教室を出た。