机の横のフックに掛けてある傘を持って、凪柚と二人で玄関へと向かう。



その後ろを潤哉がついて歩いてる状態。



ものすごく後ろが気になる!



少し振り返ってみると、潤哉は笑いながら手を振ってきた。



俺はため息を吐いて足を止める。



凪柚には先に玄関に行ってもらい、潤哉と二人でゆっくり歩きながら話をした。



「なんでついて来んだよ」



って俺が聞くと



「だってお前ばっかズルいだろ?」



って冗談っぽく潤哉が答える。



コイツは冗談なんだか本気なんだかよくわからん。



「別に邪魔するつもりなんかねぇよ。ただ、お前はモテるんだから気を付けろよ。じゃないと、樹月さんが可哀想だ」



「お前なりに心配してくれてたわけだ?」



「樹月さんのな」



アッサリと言った潤哉は俺の背中を軽く叩いて、先に行ってしまった。



俺は自分がモテるなんて思ったことない。



でも何故か、今まで仲良かった女の子は、違うクラスの女子や女の先輩にいじめられてたらしい。



直接その現場を見たわけじゃなく、噂でそう聞いた。



どこまでが本当かなんてわかんない。