凪柚が転校してきて三日目の放課後。



凪柚にも女友達が出来たらしいと、潤哉が報告してきた。



なんで潤哉が知ってるかは知らない。



むしろ気に食わない。



でも直接凪柚から聴きたくて、



すぐに、隣で帰り支度をしてる凪柚に聞いた。



そしたら、



昼休みは一緒に弁当を食べたとか、



五限の体育の時はグループにいれてくれたとか、



本を貸してくれたとか、



そんななんでもないようなことを、凪柚は笑顔で話すんだ。



俺の偏見かもしれないけど、男に人気がある子って、女子から嫌われたりっていうのがあると思ってたから、



凪柚の口からそう聴けたことが嬉しい。



「友達と一緒に帰るの?」



俺が聞くと、凪柚は首を横に振った。



「みんな塾があるから先に帰っちゃった」



少し寂しそうに言った凪柚の隣で、俺は密かにチャンスだと思った。



俺って性格わりぃ…。



「じゃあさ、俺と帰んない?途中までさ」



俺が言うと、凪柚はキョトンとした顔で遠慮がちに



「いいの?」



って聞いてきた。



誘ってんのはこっちなのに、かわいいなぁ、もう。