ガシャァァン



バスケットボールを体育館まで運ぶ、私のすぐ横で、大きな音がした。


振り返ると、背筋がゾワッとした。


だって、見ると、それは____



割れて粉々になった、花瓶。


あと数十㎝近かったら私は間違いなく怪我をしていただろう。


「な、なんで?」


驚きながらも上を見上げると、


タタタタッ


またか…


いつものように、逃げる音がする。



顔はよく見えないけど、体つきからして男だろう。


「はぁ…」


ため息をつきながら、花瓶の欠片をほうきで集める。


こういうことは、慣れてない訳ではない。


誰だ!!あんな悪質な悪戯をするやつは!!