「外傷はこめかみだな。
縫うほどじゃねえし、ただ頭を打ったんなら、三津谷のとこで詳しく調べねえとな。って言ってる間に、お嬢さん目が覚めたぞ」
絆創膏をこめかみに貼った少女が目をあけた。
「???」
「あんたがぶっ倒れたから医者に連れてきた」
「???」
「歩かない方がいいぜ。足首、捻挫か折れてるからな」
「???」
「おい?」
起き上がった少女が片手でこめかみを押さえた。
「ああ、そこはちょっとばかり切れたからな絆創膏貼った」
「……絆創膏?」
「ああ。あんたを跳ねた車は逃げた。悪いが俺は犯人聞かれても覚えてねえからな」
「跳ねた?……わたしを?」
「だからあちこち傷だらけだろ?」
あと、なんともないなら成田に任せて横になりたかった。
肋骨が痛てえ。
胸を押さえる俺に少女が聞いた。
「あの、」
「なんだ?」
「わたし、誰ですか?」
―――はっ!?
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