歩けるはずもなく案の定、捩れた足がグラッと傾ぎそのまま前のめりに倒れた。
「お、ちょ、わっ!?」
少女が頭から倒れ込むのを体を割り入れて間一髪のところで受け止めた。
「痛てぇ」
受け止めたはいいが、ヤバい肋骨に響いて体中が悲鳴を上げた。
「痛ってぇ」
腕の中に倒れた少女の意識は完全に途切れていた。
「ちっ、仕方ねぇか」
救急車は呼べねえな。
自分の格好を改めて見てため息を吐き出して、ポケットの中にあった潰れたタバコを取り出した。
こめかみから血を流した少女を抱えタバコの先に火を点けた。
紫煙がゆっくりと立ち上っていく。
「仕方ねえな。呼ぶか」
吸い終わると携帯で一也に電話を掛けた。
「すぐに来い」
居場所を話すと、10分で到着した。



