頭に来たぜ!
若を無視して靴を脱いで廊下を歩き出す。
「仁お兄ちゃん」
「りお、聞いての通りに、こいつは俺が預かるからな」
拾ったのは俺だ。
俺が面倒見るさ!
「じん、さん」
「なんだよ」
「お願い戻って。わたし、あの綺麗なひとに挨拶してないから」
「あ?」
「止まって。お願い」
ピタッ。
若に頭は来たがりおには関係ねえ。
止まったと同時にりおを振り向いた。
「……あの、よろしくお願いします」
「うん。こちらこそ。何か困ったことあったらいつでも言ってね。わたし、りお」
「あの、わたし、」
「うん。名前は仁お兄ちゃんがつけてからだね。」
りおが笑うと、こいつの緊張の糸が緩んだのか力が抜けた。
「仁お兄ちゃんに襲われないように気をつけてね」
仁お兄ちゃん、その人に手を出さないでね。だと?
バカ野郎
俺はロリコン趣味じゃねえぞ!
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