手に負えねえしよ。
あ!
りおに面倒を見てもらえりゃいいじゃねえか。
グッドアイデア!
「りお、頼みがある。記憶が戻るまでこの女を」
「てめえが拾ったんだろが」
「奏さん!」
声を低くした若がりおの前に遮るように立ち鼻白んだ顔で睨んだ。
ちっ。
「仁、てめえが面倒見やがれ」
「わかったよ」
ちら、りおを見ると理解してねえ顔だった。
「預かった嬢ちゃんには手を出すんじゃねえぞ」
「何言ってやがる。ガキには興味ねえよ」
ムッ。
頭に来て女の手を引いて歩き出す。
「痛っ、足?」
忘れてた。
こいつ捻挫してやがった!
「悪りい、」
「だい、じょうぶ」
答えた女を仕方なく抱き上げた。
「仁、記憶が戻るまで頼むぞ」
「すぐに記憶が戻るっつったから連れて来たんだからな」
「わたし、歩けます」
「いいから黙ってろ」
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