黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編

「あ、鳴海君、あれ決まった?次期生徒会長…」

「いいえ、まだ…どうしようかな…」

「今から、生徒会室で調べようか?私はヒマだけど?」

「助かります…」

内心ホッとして、生徒会室へと向かう…

いざ自分が任命する立場になって、八崎先輩の苦労が忍ばれた…

…もしかしたら、これが一番大変かもしれないな…



「あ、そうだ…写真見ます?昨日、送られて来たんですよ…」

四階から二階へ降りて行く途中で、僕はもう一つ持って来ていたものを思い出した。

「え?何の写真?あ〜、この人が婚約者さん?わ〜きれいな人〜クールビューティーって感じね〜」

里美さんは写真を見ながら、廊下の角を曲がった…

「…鳴海君は、この人が好きなの?…」

急に、里美さんの声のトーンが下がった…

辺りの空気が、張り詰めたものに変わる…

「…里美さん?…もしかして…」

ふり向いた里美さんの顔は、別人の人格が支配していた…