「…そうそう…ゆり君は独占禁止だから、覚えておくようにね…」

ふだん物静かな光田さんにまで、訳の分からないセリフをドスの効いた声で、言われてしまった…

「里美君、私の演劇はどうだった?」

たった今まで恐い顔をしていた部長が、里美さんに向き直った瞬間、天使の微笑みを浮かべていた…さ、さすが女優…

「部長は、いつでも天才よ〜」

「ゆり君、ゆり君、私は?このセットの出来はどうかな?」

「さっすが和美ちゃん、天才よ〜」

「ありがとう、ゆり君!」

「里美君の脚本こそ、いつでも天才的だよ…!」


…里美さんを中心に、三人の女子部員が抱き合っている…

その光景を遠目で見ながら僕は、″この演劇部は、どうやら天才の集まりらしい…″という事実を認識するのだった…

そして…おそらく最強の天才は里美さんの…その性格だろうと、僕は思うのだ…

演劇部で日常良く見られる光景に、そろそろ慣れてきた今日、この頃…う…む…