うーん、そんな風に頼まれたら断りづらい…それに忘れてたけど、この選択に演劇部の存続がかかっている事を思い出して、里美は我に返った。

「うん、いいよ、副会長。その代わり、今日から鳴海君は演劇部ね?」

里美は鳴海を見ると、あの笑みを浮かべた。

「ありがとう…」

鳴海は軽い感動を覚えながら、お礼の言葉を口にした…

″ああ、何かな…これは…″

この時、鳴海の中で確かに何かが動き始めていた…

「じゃあ、早速行くわよ〜♪」

ボーッとしていた鳴海は、里美に引きずられるように生徒会室を出ると、そのまま演劇部の部室へと直行した。



「部長、部員狩り成功しましたよ〜」

里美が元気良く部室に入って行くと、部室に集まっていた久川と光田が目を輝かせて、二人を出迎えた。

「おお、でかしたぞ里美君!君ならやると思ったよ」

久川と光田が二人の前まで来て、里美をねぎらった。

「やったね、ゆり君えらいよー」

光田は笑顔で、里美の頭をなでた。