学校から電車で2駅、駅から商店街を抜け静かな住宅街にある修人の家。



ここに来るのは初めてじゃない。



なのにいつもこの景色を見て歩き、修人の家に着く頃にはあたしの心臓は大きな音をたて始める。



共働きの修人の両親。1人っ子の修人。修人の家に行っても他には誰もいないんだ。



それが分かっているから・・・・・。



あたしはドキドキしながら玄関の扉の前に立ち、修人を見上げた。



「入って…先に俺の部屋行ってて。なんか飲み物持ってくるから」



玄関の扉を開けた修人はそう言って優しくあたしに微笑んだ。