「光ちゃん、起きてー!
朝よ朝!今日は入学よ!
早く起きないと遅刻するわよー!」
「ん、おはよう母さん。
朝から元気だね。
今から準備するから出てって」
ふぁ…っ
欠伸を噛み締めて布団から出る。
今日から私は出雲学園に入学する。
入学する今日まで色んなことがあって、今日から“私”じゃなくて“俺”になる。
それは遡ること3週間前ー……
受験当日
「筆記用具持った、受験票持った。
よし、そろそろ「プルルルル、プルルルル」
そろそろ出ようと思ってたのに誰だよ。
「もしもし。」
若干不機嫌になりながら電話にでた。
「お母様が交通事故でひかれました!
今すぐ○○病院まで来てください!」
…は?
呆然としているうちに電話は来れていて受験なんかほったらかして病院に向かった。
ーーーーー……
走って走ってやっと辿り着いた病院。
すぐに受付に向かう。
「椎名ですが病室どこですか!?」
「501です」
「ありがとうございます!」
母さん…っ
たった一人の家族。
失うと思うと早く早くと足が進む。
ーーー…
ガラガラッ
「母さん!」
「あら、光ちゃーん」
…………え?