先生は、少し考えこむ。
そして、なにかひらめいたみたいで顔がキラっと光って見えた。
「ねぇ、コッチに来て」
先生は、同じクラスの男の子を1人呼んだ。
「なぁに?」
「あのね、穴を埋めてきて?
穴のせいで悲しんでる子がいるの」
あたしは、先生の突拍子もない言葉に驚いて涙がピタッと止まった。
男の子は、頭に[?]をいっぱい浮かべたかと思うとダッシュで砂場へと駆け出していく。
一生懸命砂場の穴を埋める男の子にあたしと先生は少しの間笑ってた。
もちろん、バカにした笑いじゃなくて、なんか心がポカポカする笑い。
「あのお砂場の穴みたいに早く埋まるといーね」
「うんっ!!!」