雨の日の放課後




悠太は病院へ搬送され、
私と翔平君は警察へ事情聴取を
とるためにと、連れていかれた。
翔平君と私は別々の部屋で
話を聞かれた。
「では、彼は暴力をふるいましたね?」
優しそうな男性は、見た目通り優しく
私に色々訊いてきた。
警察は凄い。嘘をついても
バレる確率の方が高いので、
本当の事を最初から最後まで伝えた。
「はい、悠太と呼ばれた人から
喧嘩を吹っ掛けられていましたので」
「薬をやっている人を生で見て
どうでしたか?」
「正直驚きました」

外に出た頃、もう日は沈み、
辺りは凄く暗くなっていた。
一応警察側から、事情を母に
話してくれておいたそうなので、
メールはしなくて済んだ。けれど。
私が家に帰った瞬間、
家にいた母が私を強く抱き締めた。
心配したんだよ、大丈夫だった?と
涙声で唇を震わせていた。