今日の一時間目は学活で、
先生は席替えをすると言った。
あの2人と同じ班になれたら
凄く嬉しい。強い願いを込めて、
箱に手を突っ込んだ。
結果は……。
「やった!」
私は一番右の真ん中で、
その前が紗羅でその隣が健太郎だ。
「うちら同じ班じゃん、やったね!」
私の隣はいない。
というか見た事もない。
気にした事がなかった。
「ん?希美、隣の人が気になるの?」
紗羅は知っているようだった。
「この席の人とは同じ小学校でね。
如月翔平(キサラギショウヘイ)って言って、
今は不登校なんだ」
私も健太郎も真剣に聞いていた。
健太郎が口を開いた。
「え、コイツいじめられてんの?」
健太郎は冗談っぽく笑う。
「違うよ。如月は変わっちゃったんだ。
昔は凄くいい奴だったのに、
中一の夏休みから姿を消したの。
その頃から今も、不良だよ」
不良。私がもっとヤンチャだったら
きっと如月翔平のように
なっていた事だろう。
もし明日にでも如月翔平が来たら
どうしよう。怖くてたまらない。
もしかしたら殴られるかもしれない。
ふと、私の表情を見た紗羅が笑った。
「大丈夫だって。きっと来ないよ。
今年はもう一回も来ないんじゃないかな」
そんなにぐれているのか。
少し呆れてしまった。