「きゃー!!」
バスを降りて、真っ先に
叫んだのは紗羅だ。
余程楽しみだったのだろう。
「よーし、遊ぶぞ〜!」
さっきまで大人みたいだった健太郎も、
子どものような笑みを浮かべて
更衣室へ走っていった。
それを追うように如月君も走る。
気づけば紗羅も女子の更衣室へ
駆けていた。
「ちょっ、早っ!!」
少し時間が早いからか、
更衣室には誰もいなかった。
「ラッキー。誰もいないじゃーん」
紗羅は鼻唄を歌いながら
隣の個室で着替え始める。
「きゃっ……!」
紗羅が突然叫んだ。
はりつめた空気を感じる。
紗羅以外にいかつい雰囲気を
持った人が数人……。
紗羅の個室の方に皆いるようだ。
ここは女子の更衣室。
きっとこの雰囲気では
隣に押し掛けているのは
女の子ではない……。
(助けて、誰か……!)