梅雨入り。雨が頻繁に降り始めている。
朝から夜にかけて
ずっと雨が降っている。
ある日、健太郎が傘も差さずに
走って学校へ行っていた。
「ストーップ!」
追いかけて、隣に入れてあげた。
「おー、わりぃ!助かった!」
健太郎はずぶ濡れだった。
髪が濡れた健太郎なんて、
幼い頃の風呂上がり以来だ。
あの頃はおてんば娘という感じで
普通に健太郎と
お風呂に入るくらいだった。
「で、どうやったら傘忘れるのよ?」
「傘が壊れた妹に、
俺の傘を貸してやったんだよ」
「うわぁ、優しい。好感度アップ。
モテるかもよ〜?」
「マジ?んなわけねえだろ〜」
私達は笑いながら学校へ向かう。
幼馴染みの健太郎とは、
中学校では二年間同じクラスだ。
健太郎なしでは、
違和感しかない生活になると思う。
高校も、出来れば
同じ高校に行きたいと思っている。
今のままの関係を保って。
「希美ー!おはよ!
今日は萩野と一緒なんだね」
文月紗羅(フヅキサラ)。
中二になってから仲良くなった友達。
絶妙なまでに歯車が噛み合う相方だ。
紗羅なら一生良き友達でいたいと思える。
「ああ。それで走ってたら、
希美が傘に入れてくれたんだよ。
マジ希美救世主〜」
「そうなんだ!」
健太郎も紗羅と結構気が合うようで、
私達3人よく一緒にいる。

