今日は皆でカラオケに行く日だ。
いつも遊びに行くように、
清楚でお洒落な格好をした。
「じゃ、行こっか」
健太郎は結構
しっかりしてくれているから、
皆をまとめる役として頼りになる。
私と紗羅は久しぶりに2人で
話をしていた。
「へぇ、萩野と卯月さんって
幼馴染みなんだ」
如月君と健太郎も2人で話している。
(……っ?)
またあの時と同じ、微かな胸の痛み。
どうしてだろう?この感情は何?
「希美?希美ーっ!」
紗羅が私の顔を覗き込む。
「わあっ!……ごめん、紗羅。
考え事してた!」
私がそう答えると、紗羅は不満そうに
口を尖らせた。
「もう!最近考え事多いね。
どうしたの?うちで良かったら、
何でも相談に乗るよ?」
またとない機会だ。
思い切って訊いてみる事にした。
「最近健太郎と仲良いよね、かなり。
健太郎の事、好き?」
勿論健太郎には、
聞こえないくらいの声で問いかけた。
その質問を聞いた時、
紗羅はプッと噴き出した。
「希美、そんな事を考えてたの?」
そして小さな声で。
「萩野はいい友達だよ。
恋愛感情はないし、これからも
良き友でいたいと思ってる。
まぁ友達として、なら大好きかな!」
おかしい。普通なら嬉しいはずなのに、
尋常じゃないくらいに胸が痛んだ。
謎のこの感情は何なの?
「そういう希美は、萩野の事好きなの?」
「エっ?」
そのままの小さな声で訊かれて、
私は裏返った声で返事した。
「ぶっ!そんなに焦らないでよ。
で、で!どうなの?」
期待を帯びた瞳。でもごめん、紗羅。
「分かんない」
「えー!それはないよぉ!!」