「そう……そんな事があったの。
でも楽しかったんでしょ?
どうして不良をやめちゃったの?」
不良が減ったのは嬉しい事だ。
でもどうしてかその理由を、
問い詰めたくなった。
「探してる人がいたんだ」
「そうなの。その人は見つかったの?」
如月君は嬉しそうに答えた。
「ああ、おかげさまで」
「それって、紗羅?」
あの時の会話が今でも引っ掛かる。
「ああ……。文月か。
文月は本当に前より可愛くなってたよ。
こんな事、この年で言っちゃ
気まずくなるなんて最近知ったけどね」
「あはは」
「でも俺が探してたのは文月じゃない。
まぁ……いいじゃないか。
俺は探してる人を見つける事が出来た。
もう心残りはないんだ……。
折角俺と隣の席なんだし、
これからも仲良くしてくれ」
如月君は優しく微笑んだ。