その翌日から授業中以外、
如月翔平を見かけなかった。
毎回授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、
颯爽と姿を消してしまうのだ。
健太郎は不思議そうな顔で、
私と紗羅に話しかける。
「最近、あいついないよな」
「えー、誰が?」
紗羅が健太郎に問いかける。
「如月だよ」
健太郎は少し小さな声で言った。
「確かに毎回いないよね、
授業が終わると」
私がそう言うと、次の授業の
始まりを告げるチャイムが鳴った。
鳴り止む前にぎりぎりで
如月翔平が走ってくる。
彼は本当に何をしているのだろうか。
授業の最中、紗羅が如月翔平に
手紙を渡しているところを見た。

