中学二年生の梅雨入り前。
生徒らの服装が乱れ始める中、
真面目で清楚を目指す私は
きちんとした服装を保っていた。

性格は、見た目と違って
異常なまでのヤンチャだったけれど、
中二になってから
治そう治そうと気を配っている。
普段は大人しくしているけれど、
プライベートとなると話は別だ。
凄く派手な格好でデパートなんかを
同じような女友達と出歩いていた。

だけど最近は少しずつ落ち着いてきて、
プライベートでも清楚な服装を
するようになった。
これが私のなりたかった女だ。


卯月希美(ウヅキノゾミ)、14歳。
清楚を目指して3ヵ月。
これからも清楚は貫かれていく。
恋はしていない。
恋なんてしたくもない。

中一のヤンチャだった頃、
私には彼氏がいた。
でもある日、聞こえてしまった。
歩いている途中、角の先から……
「お前彼女2人もいんの!?
で、どっちに絞るんだよ?」
「うーん。どっちも好きだけど
俺、ヤンチャな女嫌いだからさ。
そろそろ希美は振ろうと思ってる」
勿論この頃の私は
黙っているはずがなかった。
あの後は角から飛び出して、
あいつをぼこぼこにしてやった。
当然縁切りだ。

あいつの為に清楚を
目指しているわけではない。
清楚を考えてみたら、
憧れを持ってしまって
今に至るわけだ。