男なら♪

「お前から闘え」

 師範は譲らず、佐奈田は師範の後ろに隠れた。

「バカ! お前が先だ」

 ブカデンはじっと視線を動かすことはなかった。

「師範、頼みま~す」

 佐奈田は師範の背中を押した。

「わあ! 何をする」

 師範は佐奈田に押されて前に出たが、バナナの皮ですべり、キックをするような形で、ブカデンのお腹を直撃し、仰向けに倒れた。

「あっ!」

 と、佐奈田は驚きの声を上げた。

「あれ何で寝ているの?」

 と、師範はブカデンの顔をのぞきこんだ。

「師範の一撃で倒したんですよ」

「なあ、なあ、強いだろう。こんなのは朝めし前だがな」

「もう、夕食の時間ですけど……」

「どうだ。強いのがわかっただろう。だから、明日からも通いなさい」

「はい!」