男なら♪

「この俺が一発で、ケリをつけてやろうじゃないか」

 ブカデンがゆっくりと前に歩き出した。

「わあ!」

 佐奈田は絶体絶命だ。

「ちょっと待った!」

 ラジカセを持って、演歌を流しながら道場から師範が出てきた。

「何だ、お前は?」

「師範だ!」

「お前が俺の相手をするとでも言うのか?」

「う~ん……男なら道場で習わない?」

「はっ? ふざけやがって!」

「本当だよ。その身体を見た時から……」

「ゴシャゴシャ言いやがって、じいさんからぶっつぶしてやるぞ!」

「よかろう」

「お願いします」

 と、佐奈田は言った。

「しかし、中学生ごときに闘っても意味がない。お前が行け!」

「ええ? 俺? 嫌だよ!」