男なら♪

「ナニ?」

 師範は拡声器を持った。

「大丈夫です。強くなりました」

 佐奈田は道場を出た。辺りは薄暗かった。

「あっ!」

 佐奈田の前にブカデンがいた。バナナを食べて突っ立っていた。

 佐奈田は身体の痛みをこらえてゆっくりと歩いた。

「おい!」

 ブカデンはすぐに気がついた。

「……」

 佐奈田は顔を下に向けた。

「こんなところにいたのか」

「えっ?」

「チョロから聞いたぞ!」

「いや、それは……」

「こんな道場に通って俺様を倒すとでも言うのか?」

「そんなことはないです」

 ブカデンはバナナの皮を佐奈田に投げつけるが、当たらず後ろに飛んで行った。