Petit Bonheur *小さな不幸の先に*




「ハルくんはおすすめって言ってて、葵くんは何でもいいって。



あーどっちにしよう。でも両方頼もうかな?」



相変わらず天然な結衣。



ミルクレープといちごタルトを交互に見ながら真剣に悩んでいる。



「じゃあ、市川には少しほろ苦いオペラで、結衣はミルクレープといちごタルトを



西野と半分すればいいだろ?」



そう言った瞬間、わーっと言いながら結衣は俺に向かって目をキラキラさせた。



それくらい誰でもそうするだろ。



それからアイスコーヒー2つ、アイスカフェオレ1つ、アイスティーも結衣は頼むと全部会計して



俺は西野たちの座っているオープンテラスで待っているように促した。