Petit Bonheur *小さな不幸の先に*




「……ありがとうございます。今日までずっとお休みいただいててすみません。



理由は確かに翔太さんと気まずくてというのもあったのですが……



それより私が勉強できないばっかりに2週間みっちり朝から夕方まで



ほ、補習があったんです。だからここに来たくても来れなくて……」



結菜は恥ずかしそうにそう答えている。



だけどそれは嘘かもしれない。



「だったらどうしてここの制服を全部持って帰るんだよ?」



だってもし補習で来れないのなら使ってない制服を持って帰る必要なんかない。



だから俺を納得させるための言い訳をして逃げようと……



俺は今度は結菜を抱き締めたりせず、彼女の手をぎゅっと握って答えを待った。