ここでもう言い逃れはできないと気付いた俺は……
真剣な彼女に負けて避けている理由を答えることにした。
でも内心、バカにされそうで逃げたくなる自分もいた。
「俺の好きだった人と名前が似てるから……ただそれだけ。
ケーキ屋でバイトがしたいなら他だってたくさんある。
だからそれが嫌ならさっさと辞めて出て行けばいい。
俺は立花さんに対して態度が変われるという自信はない」
俺はどこまでも弱かった。
泣いている女の子にだってこんなこと言ってしまうわけだ。
俺は2つ下の彼女に謝ることもできない幼稚な大学生なんだ。

