立花さんのバイトの時間が終わるといつの間にか彼女は消えていた。
いつもなら俺の所に来てわざわざ「お疲れ様です!お先に失礼します」って言って
事務所から出て行くのに……
おかしいな、用事でもあって今日は急いでたのか?
俺は一度中のTシャツを着替えるために家の階段を上り自室に戻った。
「立花さん……?」
俺の部屋の前に顔を俯いている彼女の姿があった。
「今日は……理由を聞くまで絶対に帰りません」
彼女は顔を上げてぽとぽと涙を溢しながらそう答えた。
「え……ちょっと泣いて」
俺は近くにある自室のドアを開けてすぐにティッシュケースを持って数枚取ると彼女に差し出した。
また彼女は悲しそうな表情を浮かべて泣いていた。

