「そうと決まれば、放課後私の家に行くわよ?勝也くんに、一緒に帰れないって言っときなよ」
「……はぁい」
いつも勝也と帰ることが私の些細な楽しみだったのに。
学校では、人気者の勝也とは話すことがあまりできないから。
でも、仕方ない。
頑張ってバレンタインに、とびっきりおいしいチョコをあげて、告白しよう!!
そして、全ての授業が終わって、急いで勝也にメールを送る。
『ごめん。用事があって今日は一緒に帰れない』
それだけ打って送ると、すぐに返信が届いた。
『分かった』
たったそれだけ。
勝也は私と帰れなくても、なんとも思わないんだね……。



