私は驚いて、涙を拭い顔を上げる。
「これ、マジで琴音が作ったの?琴音、料理苦手だっただろ?」
そんなことを言いながら、ぐちゃぐちゃになったケーキを頬張る勝也。
食べ、てる?
……私が作ったケーキを。
「だ、ダメだよ!もうぐちゃぐちゃだし、落ちちゃったから」
私はあわてて勝也を止める。
「でも、うまいよ?見た目はあれだけど」
笑ってる勝也に少し、膨れる私。
「ホントはキレイにできてたんだよ!!」
今までで、一番いいできだったんだから。
「でも、俺はこれでいいよ。琴音の愛情がこもってるんだろ?初めてくれたしな」



