私と勝也の家は近いけど、少しだけ距離がある。 家に入りかけだった勝也の名前を、大きな声で呼びながら、走って駆け寄る。 「琴音?」 私の名前を呼びながら、振り返った時。 ――ズサァーー 勢いよく扱けてしまった。 「琴音、大丈夫か!?」 私の傍に来てしゃがむ勝也を見上げる。 「派手にこけたな。立てるか?」 私の腕を掴んで、ゆっくり立たせてくれる。 「あり、がと……」