そんな甘いにおいの漂う教室で授業を受ける。 ――チッチッチッ 時計の針が時を刻むごとに、私のドキドキも増していく。 キーンコーン…… 「琴音!なにボーっとしてんのよ!!今から渡すんでしょ?」 早穂ちゃんのその声で我に返る。 周りを見渡すとみんな席を立ち、教室から出て行っている。 えと、授業は終わった……みたいだね。 「私、行ってくるね!」 「うん。ちゃんと気持ち伝えるんだよ!!」 早穂ちゃんに笑顔を向けて、教室を飛び出した。