ただの挨拶なのに、今日はやけに緊張する。
そんな私を見て、一瞬目を見開いた勝也だったけど、すぐにいつもの顔に戻る。
そして、いつもと同じように二人並んで学校に向かう。
けど、いつもと違うことがある。
「勝也くん、これ受け取ってください!!」
「ありがとう」
……これで何回目!?
私が隣にいるのに、そんなのお構いなしにチョコを渡していく、女の子達。
それを笑顔で受け取る勝也。
これも毎年のことなんだけど、やっぱり慣れないよ。
この中の誰かと、勝也は付き合っちゃうかもしれない。
そう考えると気が気じゃない。



