「玲奈も入学早々大変ねぇ。
 めんどくさいし、嫌なら断れば良かったのに。」


小学校の頃からの親友であり、

私のお姉ちゃんみたいな存在でもある北山深月が呆れた口調で言う。 



人見知りな私にとって、深月と同じクラスになれたことはこの上なく嬉しいことだった。


いい加減深月離れしないといけないのに…。


「嫌じゃないよ!
 黒崎くんだって入学早々休んで色々不安だろうし……。」


黒崎くんの隣の席になった私は、プリントを届けることになっていた。



相変わらずお人好しね、

深月がため息混じりに言う。



「とにかく、残念だけど私は彼氏との約束があるからついて行けないわよ。」



「……………分かった。
 1人で行くもん。」