あれからもう半年が経った頃だろう。

僕は卒業してからすぐに種子島に向かった。

そこでバイトをしながら写真を撮っては雑誌などに応募していた。

そして10月もすぎる頃だっただろうか。

彼女から1枚の手紙が届いたのは。

驚きすぐに開けて内容を見てみた。

その手紙にはいろいろと書かれていた。

勝手に東京に行ってしまってごめんなさい。とか今は東京で頑張ってます。とかほんとにいろいろ。

僕は手紙を読み終えると机の引き出しの奥にしまった。

返事は書けなかった。



それからまた6年ぐらいが経ったころ彼女から1枚のハガキがきた。

内容は、結婚しました。と自分の美容院も持てて幸せです!と書いてあり

ハガキには幸せそうな顔でウエディングドレスを着た彼女とその相手の写真も貼ってあった。


僕は唇を噛み締めおめでとうと呟きながら、ずっと大事に着けていた’’腕時計’’を外し引き出しの奥にしまった。

僕も前に進もう。


窓の外にはあの時と同じような景色が広がっている。

満開の桜、公園で遊ぶ子供たち。優しい風。



よし!新しい時計でも買いに行くか!!