チョコレート



「あー、柚樹?」


大毅がじっと見てる。
そりゃもう目をギラギラして。

「あたし、大毅が好き。だから別れてくれない?」


『…別に。やっとって感じ。』

「え?」


『…いや、何でも。じゃあ。』

「あ、うん。」



無口な男、恐るべし!


「…で?」

ケータイを大毅に戻しながら、ため息をつく。


「で?って…あっさりだよ。言ったじゃん。ほとんど他人だって。」



「そっか、紗緒里がやっと俺のものになる。」