「もう二度と、覗かないでくださいね!」

なんて、上から目線なことを言ってしまった。

「だから覗いたわけじゃ……。ああ、わかったよ。これからは気をつける」

蒼甫先輩は観念したように、運転しながら肩を落とした。

「わかればいいんです」

なんか初めて、蒼甫先輩に勝ったような気がする。

こんなにスッキリした気分になるのは、何日ぶりだろう。

今日のランチは、美味しく食べられそうだ。

自然と込み上げる期待感に胸踊らせ、ワクワクしながら前方に向き直った。