極上御曹司のイジワルな溺愛

「顔を上げてみろ」

蒼甫の声が耳に入りゆっくり顔を上げると、その場にいる全員が嬉しそうな顔をして拍手をしてくれているのが目に入る。

「みんなが私たちを祝福して、くれてる?」
「ああ。こんな大勢の人達に祝ってもらってるんだ。幸せにならなきゃな」
「そうですよ。ここにいる人全員が、立会人、というところでしょうか」

梨加さんがそう告げると会場内が、なお一層大きな拍手に包まれた。



大きな窓の外は、雲ひとつない空が広がっている。

これからの蒼甫との生活は、山あり谷あり。こんな天気の日もあれば、ザーザーの雨降りの日もあるだろう。

それでも彼の隣でずっと添い遂げる未来が見えるのは、彼からの大きな愛情をどんな時も感じられるから。

蒼甫は、いつだって蒼甫で。どんな事があっても変わることのない信念を持った彼だからこそ、私は好きなになったんだと思う。

蒼甫だから私は本当の恋を見つけ、本物の恋をした。


「幸せになろうね、蒼甫」

彼の大きな手を、そっと握りしめる。


未来永劫。ずっと、いついつまでも──






【HAPPY END】