極上御曹司のイジワルな溺愛


だってそれは、蒼甫の愛情表現だってわかるから。

見つめられただけで心は蕩けてしまい、こめかみに甘いキスを落とされたら、何も抗えなくなる。

もう、好きにして──

蒼甫へとクタッと身を任せれば、彼は鼻歌交じりに、軽快な足取りでバスルームへと歩き出した。

「何がそんなに楽しいのやら……」

小さくつぶやいた言葉は、ふわっと空気を伝わって蒼甫の耳に届いてしまったらしく。

「椛を抱けるんだ、楽しいに決まってるだろ」
「抱けるって……。そんな露骨に言わなくても」
「回りくどい言い方は好きじゃないんだ。欲しいものは欲しい、抱きたいものは抱きたい。俺は今、椛が欲しいし抱きたくてたまらない」

蒼甫はそう言ってバスルームで私をそっと下ろし、自分の服をパパッと脱ぎ捨てた。

え? え? えぇっ!?

あっという間に全裸になって、私の前に立ちはだかる。

そんな偉そうに立たれても……。

蒼甫からパッと顔を背けても、その顔を両手で挟まれ元の位置に戻された。

「さっさと脱ぐ!」

上着の裾から手を差し込みぐぐっとそれをたくし上げると、あっという間に服を脱がされてしまう。